佐渡 新穂地域について


 佐渡は、周囲280.7km、面積854.53平方キロで、北に金北山を主峰とする大佐渡山地、南は小佐渡山地が並行して走り、中央部に国中平野が広がっています。
 私たちが暮らす新穂地域は、佐渡のほぼ中央に位置し、国府川の源流を発することから、中央には国府川(新穂川)と大野川が流れており、肥沃な土地に恵まれ、古くは縄文時代から人が住んでいたことを示す、数多くの遺跡や遺物が発見されています。
 特に、新穂玉作遺跡は弥生時代、稲作が始まった国中平野に、玉作集団の存在を示す貴重なものであり、細型管玉等の製玉技法を示す483個の出土品(故計良由松氏収集、分類)は、国指定重要文化財となっています。
 また、古来から「金の島」と呼ばれていた佐渡は今、世界遺産の登録を目指していますが、新穂の地も決して無縁ではありません。
 佐渡には、現在確認されているだけで約30もの鉱山が分布していますが、その中の「相川金銀山」「鶴子銀山」「西三川砂金山」「新穂銀山」の4つが主な鉱山です。
 「新穂銀山」は「滝沢銀山」とも呼ばれ、「滝沢千軒」と言われるほどの賑わいをみせました。
 江戸時代の初期、慶長期にはいると、新穂銀山には多くの鉱山労働者が集まりました。当時の新穂の町は、銀山の物資の中継基地(市場)として、活気にあふれていたことが考えられます。
 一方、他地域からの人々の流入により、さまざまな宗教、芸能、習俗などが地域に持ち込まれました。
 古くは、順徳上皇(1221年)、日蓮聖人(1271年)、世阿弥(1434年)等の歴史上の人物が有名ですが、在来の文化と交流して多様性のある佐渡・新穂独特の文化が花開きました。
 そして、現在に伝えられている鬼太鼓やのろま人形などの民俗芸能、由緒ある根本寺清水寺などの名刹、牛尾神社武井熊野神社の能舞台と能楽、山王祭などの神事芸能は、地域のアイデンティティを形成し、地域住民の誇りや絆の源となっています。
 このような地域のなかで、大正から昭和にかけて、土田麦僊(日本画家)と杏村(哲学者)兄弟は、芸術・文化面で業績をおさめ、全国的にその名を轟かせました。
 その偉業を紹介する石碑は、今も新穂小学校前にあります。
 最後に、新穂の地は、大正の頃から村をあげてトキの保護活動を続けてきました。日本のトキは、新穂の地で一度は絶滅しましたが、中国から贈呈されたトキのペアによる繁殖の成功や、トキとの共生を目指した環境保全型農業の推進等により、今では200羽以上のトキが佐渡の野生下で生存しています


新穂地域の人口


 新穂地域人口 3,824人 / 佐渡市人口 56,852人(平成29年3月末現在)


新穂地域 半世紀の歩み


年 号 主な出来事 備 考
昭和40年 新穂農業協同組合新事務所落成 6,383人
新星学園焼失
昭和42年 新穂村役場庁舎完成  
清水平にトキ保護センター建設
昭和45年 村営牧場着工 5,882人
新畑衛生施設組合できる
昭和46年 文弥・のろま・説教人形、佐渡人形芝居として国無形文化財指定  
昭和47年 新穂村総合センター竣工  
昭和48年 第一次総合計画策定 「産業基盤の積極的な整備」  
新穂村体育館竣工
新穂村体育協会結成
昭和49年 新穂農業協同組合ほか合併により佐渡農業協同組合設立  
昭和50年 村民運動会始まる 5,525人
昭和51年 佐渡岩ノ平青少年旅行村開設  
昭和53年 就業改善センター竣工  
大野川ダム竣工
昭和54年 老人趣味の家竣工  
新潟養護学校新星分校校舎竣工
昭和55年 新穂村農業構造改善推進センター竣工 5,309人
村民駅伝競走大会始まる
昭和57年 第二次総合計画策定 「自然の中の人間らしい生活」  
武道館竣工
昭和58年 岩の平園開設  
行谷小学校校舎竣工
昭和60年 首都圏佐渡新穂人会結成 5,212人
佐渡朱鷺健康マラソン大会始まる
昭和61年 佐渡養護学校開校  
平成2年   4,964人
平成3年 第三次総合計画策定 「ときめき新穂 ふれあい新穂の創造」  
新穂第二ダム竣工
新穂中学校校舎竣工
「潤いのあるまちづくり」自治大臣賞受賞
朱鷺街路灯完成
朱鷺夕映え市始まる
平成4年 佐渡トキ保護センター内巻地区移転  
平成5年 新穂中学校体育館竣工  
平成6年 トキの森公園竣工  
第二岩の平園開設
平成7年 デイサービスセンター竣工 4,778人
新穂村西部地区ほ場整備事業始まる
国府川流域下水道供用開始
平成8年 新穂潟上温泉竣工  
平成9年 新穂村民憲章制定  
新穂村文化協会結成
平成10年 財)新穂村農業振興公社設立  
行谷小学校体育館竣工
中国洋県と友好交流協議書締結
8.4水害(大野川決壊、天王川氾濫など)
平成12年 トキのむら元気館竣工 4,559人
平成13年 第四次総合計画策定  
「自然と共生したむらづくり」「人が輝き、いきいき暮らすむらづくり」「地域特性を活かしたむらづくり」「住民参加・参画のむらづくり」
村内4保育園合併し村立トキっ子保育園設立
村政施行100周年(明治34年~)
平成14年 トキっ子保育園新園舎竣工  
新穂小学校、行谷小学校創立100周年
平成15年 トキ交流会館オープン  
トキ「キン」死亡
新穂ダム桜祭り最終年
平成16年 新穂村閉村、佐渡市誕生  
佐渡市役所新穂支所設置(社会福祉協議会・シルバー人材センター入居)
地域審議会設置
平成17年 佐渡市民憲章制定 4,243人
平成18年 新穂小学校校舎竣工  
平成19年 野生復帰ステーション竣工  
新穂ふるさと夏祭り最終年
平成20年 トキ放鳥   
朱鷺と暮らす郷づくり認証米制度スタート
平成21年 新穂支所を新穂行政サービスセンターに改組  
中央消防署南支所閉所
財)新穂村農業振興公社解散
平成22年 新潟大学がトキ交流会館に朱鷺・自然再生学研究センターを設置 4,089人
新穂行政サービスセンターに新穂地区公民館入居
農業構造改善推進センターを新穂村土地改良区無償貸付
平成24年 トキの森公園 トキふれあいプラザ竣工  
平成26年 新穂ふるさと夏まつり復活  
地域審議会廃止
地域づくりの会発足
平成27年 新穂小学校校舎竣工 3,762人
平成28年 新穂 地域づくり懇談会開催  
新穂地域づくり協議会設立準備会設置  
平成29年 新穂地域づくり協議会設立  

※ 備考欄人数:国勢調査新穂地区人口 
※ 総合計画には、基本理念を記載。